みどりのにおいがする。

2018.03.28 | Inspiration

 

 

 

 

 

 

 

 

初めて地球へ降りてきた日のことはよく覚えている。

ずっと作られた自然のなかで生きてきたから

どうしても土からのびる植物というものを見てみたかった。

 

 

わたしの星は土もなければ虫もいない。

綺麗なお花、綺麗な鳥や蝶、綺麗な湖はあるけれど、どこを見渡しても綺麗なものしかない。

 

 

それはとてもとても美しいけれど、わたしは地球にある土のにおいというものが知りたくなった。

”土のにおいをしたみどりのにおい”というものがどんなものなのかどうしても知りたかった。

それが朽ちたり、虫がいて食べられたり、一見美しくない姿だとしても、

それが美しいと感じている地球のひとびとの感覚を知りたかった。

そして、わたしもそう感じてみたかった。

 

 

 

・・・

 

 

 

「みどりのにおいがする。」

 

 

 

はじめて地球へ降りてきて、はじめて声にだしたことば。

それだけで、わたしの願いはもう叶っていたのです。

 

 

 

(満開の桜の木の下、降りてきた記憶)