呼吸する星

2015.11.21 | Daily

 

 

冷たい夜空に、星が瞬いている。

 

 

 

冬は苦手だ。
けれど冬の星の瞬きは、寒さを待ちわびたように輝きを増し、

私のこころに迷うことなく光を灯してくれる。

今夜も紺碧の空に、繁に星が現れた。
しばらくの間眺めていると、
朧げに、細かな星が増えてゆく。
目が慣れて見えるようになっただけなのだが、

まるで星が次々と産まれているように見えてくる。

星の瞬きはまるで呼吸しているようだ。
微かに揺れて、息をしている。
きら、きら、という音のない音がきこえてくる。

 

以前「星はいつか死ぬんだよ」と教えてもらった。
星に一生があるなんて、知らなかった。
星は死とともに5000万年をかけ、また星の生命を授かる。

星たちも、私たちも、ずっと生まれ変わり生きている。

 

そうして今見ている星が、私たちと共に生きているということが、奇跡のような気がした。
なんて素晴らしい奇跡なんだろうと。

わたしは美しく呼吸する星たちを、眺めた。
飽くことなく、眺めていた。

 

きこえますか?
星の囁きを。
きこえますか?
星たちの、囁きを。