大嫌い
大切で大好きな友人から、1年前に「大嫌い」と言われた。
わたしは大泣きして別れてしまったから
それはここ最近まで引きずっていて、
その後2回ほどばったり会ったけれどあまりにもよそよそしすぎて、
会いたいけどもう会わない方がいいのだと思った。
「きっとお互いにとって今は一緒にいる時じゃないよ」
「また時が過ぎて笑って話せる日が来るよ」
とありきたりな言葉を自分に何度も何度も言い聞かせて過ごしてきたけれど、
心の奥ではもやもやの霧が晴れなかった。
もうすぐ1年が経とうとしていて、
もう誰かに思いを掃けてもいいんじゃないかと思い、ようやく友人に吐露した。
彼女はこう答えた。
「言葉をそのまま受け止めるんじゃないんだよ。
”大嫌い”と”大好き”は同じなんだよ。本当の言葉を言えるひとなんてそういない。
本当は大好きなんだよ。彼女はあなたが嫌いなのではなく、
その時の自分が大っ嫌いだったんだね。」と。
「自分で自分のことを大嫌いと鏡に向かって言える?
そんな勇気がないから、彼女はあなたに大嫌いだと言った。
大好きなあなたに。
一番傷ついているのはきっと彼女なんだよ。」
・・・
どこかで彼女の気持ちもわかっていたから、また泣いた。
一番よく理解し合っているのに色々わかりすぎて、
一緒にいたいのに辛かった。
私たちは互いにやるべきことがある。
だから本当は言葉にしなくてもその気持ちになんとなく気づいていたから
わたしはいつかそこから離れないといけないこともわかっていた。
それが彼女は嫌だった。
何も言わずに離れるのが嫌だった。
だから彼女はわたしに「大嫌い」と言ってほしかったんだ。
そしたらどれだけ二人で笑えただろう。
あのとき、彼女は不器用ながら精一杯向き合ってくれた。
・・・
その2日後、カフェの扉を開けたら目の前に彼女がいた。
半年以上ぶりの出来事だった。
「ひさしぶり〜〜」
大きな手のひらをぶんぶん振って、にっこにこで笑っていた。
ずっと会いたかったのに会えなくて、
結局自分の準備が整ったらすぐに会えるなんて、
なんなんだこれって感じで、拍子抜けした。
そうしてわたしも同じように、ぶんぶん手を振り返した。
あまりにも早すぎる展開に
にっこにこで笑えていたかは、わからないけど(笑)