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2016.12.15 | Daily

 

 

 

17歳のときに受験のストレスで体調を崩し、薬を打てば治るけれど、

打たなければ治らず、2年ほど病院に通っていました。

「いつか治りますよ。」と医師は言うものの、

学校を遅刻して病院へ行ったり、腕が注射針でどんどん硬くなっていくのが怖くなり、

突然病院に行くのをやめました。

 

親は心配していたけれど、2年通っても自然に治らないなら

もうやめようと強く思えたのです。

そしてそれと同時に、なぜかどうしても一人で遠くの自然の中に行きたくなり

学校の夏休みを利用して2ヶ月間、

長野県で住み込みの畑仕事のアルバイトに行くことにしました。

どこでもよかったので、北海道から静岡あたりまでの山を中心に

電話を何十件もかけて、ようやく最後に見つかったのが長野でした。

勝手に決めてから親に言ったので

親は相当びっくりしていたけれど、わたしは決めたらやる性格と知っていたので、

何も言わず送り出してくれました。

 

 

そして意図したわけでもなかったのですが、2年治らなかった病気が

着いてからたった3日で治ったのでした。

びっくりしたけれど、それ以上にただうれしかった。

朝から夕方までどこまでも続く畑で一人ぽつんと佇み、

気が遠くなりそうになりながらも黙々と草取りや肥料をやり、

夜明けからはみんなで収穫をして、身体が常に疲れているのを感じていたけれど、

霧のかかる白樺の木々に囲まれているだけでエネルギーが満ちてくるのを感じました。

土に触れ、広い土地を眺めて、

大家族に囲まれて採れたての野菜で食事をし、

あの時は何も考えずにただ自然の中に行きたかっただけだったのですが、

直感で動いていた自分の選択が何も間違ってなかったのだなぁと

今は思えます。

そして、親や畑のご家族に見守られて、無事に過ごせたのだと思います。

 

・・・

それからまた現実に戻り、

そんなこともすっかり忘れて無理をしたりしてしまうのですが、

自然の中で少しでも過ごした記憶が、身体のどこかに刻まれていて

何かの折にいつも助けてくれているのを感じます。

大きな自然の中で暮らすことは今は考えていないけれど、

今いるこの場所で、自然や植物や人を通して何かできたらという気持ちが

また少しずつ膨らんでいることろです。