星の水晶

2017.01.27 | Inspiration

 

 

− おとうさん。あの一番透明にひかる星はなに?

 

 

− あれは水晶の星だよ。
− 宇宙を透し、プリズムを生み、すべてを吸い込み、はね返している。

− 星には空気のような粒子が住んでいて、宇宙のエネルギーを育てているんだ。

 

− 鉱物が産まれる時、音を放つのを知っているかい?

− 流れるような波の音、

− ぽんと花が開くときの命の産まれる音、

− 妖精の羽が閉じるときの淡い音…

− そして放った音はそこに色をつけて宇宙に広がるんだ。

− 地球ではそれをオーロラと呼んでいるんだよ。

 

 

− おとうさん、ぼくもそこに行ってみたい!見てみたい!
− それでね、いつかその水晶の星にも行くんだ。
− 宇宙の水晶がうまれる瞬間を見てみるんだ!
− それでね、てのひらいっぱい星の水晶をおみやげにもって帰ってくるからね。

 

− ほう…
− それは楽しみだ。
− どこに飾ろうか、棚を整理しておかないと。
− さぁもう中へ入りなさい。

 

− おやすみなさい。

 

 

− おやすみ、よい夢を。

 

 

 

(冬の朝、目覚めて降りてきた記憶)